○仲多度南部消防組合救急業務規則

平成21年12月28日

規則第7号

(趣旨)

第1条 この規程は、消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)、消防法施行令(昭和36年政令第37号。以下「令」という。)、救急救命士法(平成3年法律第36号。以下「救命士法」という。)、救急業務実施基準(昭和39年自消甲教発第6号)及び救急隊員の行う応急処置等の基準(昭和53年消防庁告示第2号。以下「処置基準」という。)に基づき仲多度南部消防組合が行う救急業務の実施について、必要な事項を定めるものとする。

(用語の意義)

第2条 この規程における用語の意義は、次の各号に定めるところによる。

(1) 救急業務とは、法第2条第9項に規定するものをいう。

(2) 救急事故とは、法に定める救急業務の対象である事故等をいう。

(3) 医療機関とは、医療法(昭和23年法律第205号)第1条の5に規定する病院及び診療所又はその他の場所をいう。

(4) 転院搬送とは、現に医療機関にある傷病者を医師等の病状管理の下に他の医療機関に搬送することをいう。

(5) 応急処置等とは、救急隊員の行う応急処置等の基準(昭和58年消防庁告示第2号)に基づき行う処置等をいう。

(6) 救急救命士(以下「救命士」という。)とは、救命士法第2条第2項に定めるものをいう。

(7) 救急救命処置とは、救命士法第2条第1項に規定する処置をいう。

(救急隊の配置及び編成)

第3条 消防長は、処置基準を行う為に必要な構造及び設備を有する救急自動車を署所ごとに配置するよう努めるものとする。

2 救急隊は、救急車1台及び救急隊員(以下「隊員」という。)3人以上をもって編成する。ただし、転院搬送で医師、看護士等が同乗する場合は2人以上をもって編成することができる。

3 消防長は、救命士の資格を有する者及び消防法施行令第44条第3項に規定する者(以下「救急隊員資格者」をいう)をもって救急隊を編成するよう努めるものとする。ただし、勤務体制により救急隊員資格者以外の者を乗車させることができる。

4 救急隊員は、救急隊長及び隊員をもって構成する。

5 隊長に事故あるときは、上席職員がその職務を代理する。

(出動区域)

第4条 救急隊の出場区域は管内全区域とする。ただし、消防長が特に必要と認める場合は、出場区域外に出場することができる。

2 消防相互応援協定に基づく出場は特命または管外応援によるものとする。

(行動基準)

第5条 救急隊員は、救急現場が特殊な環境下にあることを認識し、常に沈着冷静に行動しなければならない。

2 救急隊員の言動は、傷病者及び当該傷病者の関係者(以下「関係者」という)にとって、大きな重みをもって受け止められるので、誤解を生じないよう細心の注意をはからなければならない。

(救急隊の応急処置)

第6条 救急隊員は、救急現場に到着したときは、直ちに傷病者の周囲及び現場の状況を迅速、的確に把握し、必要な応急処置等を行わなくてはならない。

2 救命士は、前項の応急処置等を行うほか、必要に応じ救急救命処置を適切に行わなければならない。

3 救急隊員は、帰署の途上において救急事故等を発見した場合は、必要に応じて前各項に規定する処置を行うとともに、通信指令課にその状況を速やかに通報しなければならない。

(応援要請)

第7条 隊長は、救急事故現場に傷病者が多数発生している場合または特殊な救急活動の必要があると認められ、自隊のみでは対処が困難と認める場合は、通信指令課に状況を通報し、必要な隊数および救急資機材等の応援要請をしなければならない。

(医師の要請)

第8条 隊長は、傷病者の状態から、搬送することが生命に危険であると認められる場合、または傷病者の救助にあたり、医師の救命処置、診断または指示が必要と認められる場合は、医師に協力を要請することができる。

(医療機関の選定)

第9条 隊長は、傷病者の搬送を行うに当たっては、傷病者の症状に適応した医療が速やかに施し得るもっとも近い医療機関を選定するものとする。ただし、傷病者又は家族等から特定の医療機関へ搬送を依頼された場合は、傷病者の症状及び救急業務上の支障の有無を判断し、可能な範囲において搬送することができる。

(犯罪による傷病者の取扱い)

第10条 隊長は、傷病の原因が犯罪の疑いがあると認める場合は、救急事故が発生した所轄警察署へ通報すると共に、救急現場の保存に留意し救急活動を実施しなければならない。

(関係者の同乗)

第11条 隊長は、未成年者または意識障害があり正常な意思表示ができない傷病者を搬送する場合のほか、傷病者の搬送に際し、特に必要があると認める場合は、努めて関係者又は警察官の同乗を求めなければならない

2 隊長は、傷病者の関係者又は警察官が同乗を求めた場合は、努めてこれに応ずるものとする。ただし、救命士が救急救命処置を行う為人員を制限する必要があると認めた場合は、この限りでない。

(転院搬送)

第12条 転院搬送を行う場合において、医師、看護師等の同乗看護が得られないときは、転院搬送依頼書(様式1号)に担当医師等の署名を得た後、行うものとする。

(医師等への引継ぎ)

第13条 隊長は、傷病者が速やかに診療を受けられるよう傷病者観察メモ(香川県下統一様式)の利用、もしくは口答で応急処置等の内容、容態の経過その他必要な事項を医師またはこれに代わる者に引継ぐものとする。また、心肺停止症例は、ウツタイン様式(香川県メディカルコントロール協議会統一様式)を使用するものとする。

2 隊長は、傷病者を医師に引継いだときは、傷病者収容証(香川県下統一様式)により、当該傷病者の傷病名、傷病程度および傷病にかかる医師の所見を得るものとする。ただし、所見を得るのに時間を要するときは、逓送等により後日得るようにする。

(傷病者の搬送制限)

第14条 隊長は、傷病者が明らかに死亡している場合又は医師が死亡していると判断した場合は、搬送しないものとする。

2 隊長は、前項に規定する死亡者を取扱う場合は、公衆の目に触れないように努め、関係者又は警察官に引継ぐものとする。

(感染症にかかる取扱い)

第15条 感染症(感染症の予防及び感染症の患者に関する法律(平成10年法律第114号)に規定する一類感染症、二類感染症、指定感染症(一類感染症、又は二類感染症に準じるものに限る。)及び新感染症をいう。以下同じ。)又はその疑いがある患者は、衛生関係機関に通報してこれを搬送しないものとする。ただし、消防長が認めた場合は、この限りでない。

(感染症と疑われる者の取扱い)

第16条 隊長は、感染症と疑われる傷病者を搬送した場合は、隊員及び救急車の汚染に留意し、直ちに所定の消毒を行い、その旨を署長に報告すると共に、当該傷病者に対する医師の診断結果を確認し、所要の措置を講ずるものとする。

(搬送拒否の場合)

第17条 隊長は、傷病者又は関係者が搬送を拒んだ場合は搬送しないことができる。

2 隊長は、当該傷病者又は関係者に容態の急変等に関する留意事項を説明すると共に、努めて警察官等第三者の介在を得て対応し、救急活動記録票(様式第2号)の処置欄または別紙に、搬送辞退の署名を求め、当該関係者に説明した時間、搬送拒否の理由等の必要事項を記載し報告するものとする。

(関係者への連絡)

第18条 隊長は、傷病者が生活保護法(昭和25年法律第144号)第6条第2項に規定する要保護者であると認められる場合は、救急現場の町役場福祉関係部署に連絡するものとする。

2 隊長は、行旅病人又は行旅死亡人取扱法(明治32年法律第93号)第1条に規定する行旅病人であると認められる場合は、救急現場の町役場福祉関係部署に連絡するものとする。

(精神障害の疑いがある者の取扱い)

第19条 精神障害の疑いがある者の取扱いは、次によるものとする。

救急業務に該当する傷病が認められ、自傷他害のおそれがないと認める場合は、当該傷病に適応する医療機関に搬送するものとし、自傷他害のおそれがあると認める場合は、警察官同乗の上搬送するとともに、診療後は警察官に対し、保護又は転送先の手配を依頼すること。

救急業務に該当する傷病が認められず、自傷他害のおそれがないと認める場合は、本人または関係者に対し保健所に相談するよう指導し、自傷他害のおそれがあると認める場合は、警察官の派遣要請をし、当該警察官到着後不搬送とすること。

(妨害等)

第20条 隊長は、救急活動中に第三者から妨害又は加害を受けた場合又は、第三者からの妨害又は加害により救急業務の継続が不可能と認める場合は、直ちに通信指令課を通じて所轄警察署に通報すると共に、被害の防止に努めなければならない。

2 署長は、第三者からの妨害又は加害があった場合は、消防長に報告すると共に、警察機関と密接な連絡をとり、厳正な措置を講じなければならない。

(集団救急事故)

第21条 集団救急事故発生の対処については、別に定める。

(救急廃棄物)

第22条 救急活動に伴い排出された廃棄物は分別をし、医療用ディスポ、可燃物、不燃物、資源ごみ等の処理基準に従い適切に処理するものとする。

(救急活動の記録)

第23条 隊長は、当務中に取扱った救急業務の状況を、救急活動記録票に記録し消防長に報告しなければならない。

2 隊長は、救急業務を行った場合は、救急活動報告書(様式第3号)を作成し搬送先の傷病者収容証を添付し消防長に報告しなければならない。

3 隊長は、救急業務に関する事項を救急隊日誌(様式第4号)または、出張所業務日誌に記録し、救急業務の適正を図らなければならない。

(救急救命処置の記録)

第24条 救命士法第46条に規定する記録は、救急救命処置記録(様式第5号)に記載すると共に、救急活動報告書に添付し、消防長に報告するものとする。

(消毒)

第25条 救急隊員は、手指等必要な個所を必要に応じ消毒するとともに、救急車の消毒を次に掲げる種別ごとに行わなければならない。

(1) 定期消毒 毎月2回

(2) 使用後消毒 毎使用後

(3) 特別消毒 必要な都度

2 救急隊員は、前項1号の消毒を実施したときは、その結果を消毒実施表(様式6号)に記載し救急車の見やすい個所に表示しなければならない。

3 隊長は、救急隊が感染症と疑われる傷病者を搬送したときは、直ちに救急隊員の身体、衣服、車両及び救急資機材の消毒をおこなうとともに、当該傷病者の診断結果を医師に確認し、必要な措置を行わせなければならない。

(大規模救急事故等の報告)

第26条 署長は、管内において次に掲げる救急事故が発生した場合は、直ちに消防長に報告しなければならない。

(1) 死者5人以上の救急事故

(2) 死者及び負傷者の合計が15人以上の救急事故

(3) その他報道機関に取り上げられる等社会的影響が高い事故

(特異な救急事案の報告)

第27条 隊長は、次に掲げる特異な救急事案が発生した場合は、直ちに署長に報告しなければならない。

(1) 救急救命処置を実施した事案

(2) 医療機関到着前の出産、または異常分娩を生じた事案

(3) 医療機関との連携に著しく支障を生じた事案

(4) 救急業務に関し著しい苦情等があった事案

(5) 傷病者収容まで5回以上転送した場合

(6) 救急活動に瑕疵があったと認められる事案

(7) その他隊長が必要と認めた事案

(照会等)

第28条 警防課長は、救急業務に関して、裁判所その他の官公庁から出頭要請又は文書照会があった場合は、その事実を確認の上、消防長の承認または回答を得た後でなければ、出頭または回答をしてはならない。

(口頭指導)

第29条 救急要請時に、通信指令課員又は救急隊員等から救急現場付近に居る者に電話等により応急手当の協力要請をし、その方法を指導するよう努めること。

(訓練計画、実施)

第30条 署長は、救急隊員の技能向上を図るため、毎年3月末までに年度訓練計画を作成するものとする。

2 署長は、年度訓練計画に基づき、救急隊員に訓練を実施するものとする。

(訓練の区分)

第31条 訓練は、基本訓練及び総合訓練とし、次の各号によるものとする。

基本訓練は、救急隊員として救急活動に必要な基本的な知識及び技能を修得するために行うものとする。

総合訓練は、救急隊として救急活動全般に対応できる活動能力の向上を図るために行うものをいう。

(応急手当ての普及啓発)

第32条 警防課長は、救急業務を円滑に実施するため、住民に対する応急手当の普及啓発活動を計画的に推進するよう努めなければならない。

(医療情報等の収集)

第33条 警防課長は、救急業務遂行上必要な医療機関の情報収集に努めると共に、必要に応じ当該医療機関を署長に連絡するものとする。

2 警防課長は、医療機関の新設、移転、廃業等変動があったときは、直ちに通信指令課長、署長に連絡するものとする。

(委任規程)

第34条 この規則の施行に関し必要事項については、消防長が別に定める。

1 この規則は、平成22年1月1日から施行する。

(令和2年2月13日規則第5号)

この規則は、公布の日から施行する。

(令和3年1月20日規則第2号)

この規則は、公布の日から施行する。

(令和4年8月25日規則第2号)

この規則は、公布の日から施行する。

(令和6年3月27日規則第8号)

この規則は、公布の日から施行する。

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仲多度南部消防組合救急業務規則

平成21年12月28日 規則第7号

(令和6年3月27日施行)